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2001年07月18日
因幡 正代 |
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| 薬の歴史 | ||||||||
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薬が人類の歴史に登場してから数千年が経つ。紀元前4000年頃、チグリス・ユーフラテス河流域のメソポタミアでは、動植物や鉱物などから多くの薬が作られ使用されており、当時の薬の作り方が、世界最古の記録とされているシュメールタブレットという粘土版に楔形文字で記録されている。また、紀元前1550年頃の古代エジプトで書かれたと考えられている『パピルス・エーベルス』には、700種類もの薬が載せられている。東洋では、中国の後漢時代(1〜3世紀)に書かれたとされている『神農本草経』に365種類の薬が記載されている。その後、貿易などにより東洋の薬は欧州に広がり、ルネッサンス以降の化学や生物学の発展とともに、薬もさらなる進化を遂げていった。 1804年、ドイツの薬剤師セルチュルナーが、アヘンから麻薬性の本体「モルヒネ」を発見した事は、「製薬を科学的に分析して有効成分を抽出する」という薬学の基礎を確立するきっかけとなった。その後、天然資源から重要な成分が発見されていく事になる。さらには、有効成分を化学反応により作り出す合成医薬が登場し、その代表例が「アスピリン」である。 19世紀末、肺炎、結核やコレラなどの伝染病が世界中で流行していた。1928年、フレミングによる世界初の抗生物質「ペニシリン」の発見により、肺炎や敗血症、破傷風といった恐ろしい感染症の治療が可能になった。1944年には結核の治療薬「ストレプトマイシン」が発見され、日本でも長い間死亡原因の第一位であった不治の病結核も、ストレプトマイシンにより治療が可能になった。このように、さまざまな抗生物質の研究が進められ、人類は殆どの細菌性疾患から開放された。その一方、人類は栄養の不可欠因子ビタミンと内分泌調整に重要な働きをするホルモンを見つけ、その化学的、生理学的作用をもとに薬として応用するようになった。1982年、遺伝子組み替えによる初のバイオ医薬品「ヒトインスリン」がイギリスで開発された。 21世紀を迎えた現在、人類は新たなる新薬開発法を手に入れようとしている。それが、「ゲノム創薬」である。従来の新薬開発法は、土壌などから細菌やカビを大量に採取し、それらが作り出す物質の中から、医薬品として役立ちそうな物質をスクリーニングで絞り込んでいくといった、膨大な時間、労力、費用がかかる割には、効率の悪いものであった。しかし、ゲノム創薬とは、遺伝子レベルで病因を解明し、患者一人一人の病状に合わせた"ターゲットのはっきりした医薬品"を、短期間で効率よく作ろうという方法である。ゲノム創薬の登場により、今までは不治の病といわれていた病気が簡単に治り、その恩恵を受けられる日もそう遠くはないであろう。 次回は、ゲノム創薬について詳しく述べたい。 |
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以 上 |
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医学・薬学の発達
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