2001年12月19日

因幡 正代

公正取引委員会とゲノム特許

今回は、ゲノム特許について触れてみたいと思う。

 先日、公正取引委員会寡占対策室と、ゲノム創薬の将来・企業や製薬市場に与える影響などに関し、意見の交換をした。 公正取引委員会では、新しい分野での特許と言うことで「ゲノム特許」に注目し、それが企業や市場にどのような影響を与えうるのかということが主な内容となった。

 以下にその中の一部を紹介する。 わかり易くするためにあえて質疑応答の形式で書き(実際にこういう質疑をしたということではない)、解答の部分は私の意見である。

  1. ゲノムは今後、農業、環境、医療、製薬のどの分野で大きく発展しそうか?

     研究と言うものはそもそもお金とある程度の知恵が必要なものである。
     知恵があってもお金がまったくなければ、何もできないといっても過言ではないだろう。ゲノム的手法を用いた研究は今後あらゆる分野に浸透していくものと思われる。しかし、その中で大きく発展するのは、研究費が潤っている、製薬、医療の分野であろうと考えている。



  2. バイオベンチャーなどが遺伝子特許を取得した場合、製薬業界に大きな影響を行使することがありうるだろうか?

     現在日本における研究を重点においたバイオベンチャーは、米国に比べると数も少なく、また規模も小さい。そのような小規模のバイオベンチャーが製薬業界に大きく影響を及ぼすというのは、現時点では考えにくいことである。


  3. 研究開発費の高騰による製薬会社の規模の経済性が増加するか?つまり、資金力のあるところが一人勝ちするかどうか。

     大いにありうる。上述のように、研究とはお金がなくてはなかなか進まないものであるから、「一人勝ち」という表現が適切かどうかは分からないが、資金力のあるところに集約されていくと思われる。


  4. 官と民の研究開発の役割について、官は民が目を向けない基礎研究に力を注ぐべきか、または民と競合して互いに大いに切磋琢磨し世界に切り込んでいくべきか?

     お互いが切磋琢磨して世界に切り込んでいくべきではあると思う。


  5. TLOが活発に活動しているかどうか?

     私が所属している研究所にも昨年TLO事務所ができた。今後に向けて徐々に活動が活発化してくると思う。


 来年中旬にはゲノム特許について、公正取引委員会から一つの見解が発表されるとのことである。公正取引委員会がどのようにゲノム特許の問題に取り組み、その発展を妨げることなく自由な競争を奨励していくのか、これから具体化されていくことであろう。



以 上


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