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2001年12月07日
植木 博士 |
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| 「軽視できないエンロン・ショックの余波」 | ||
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急成長していたエネルギー卸売りの世界最大手、米エンロンが12月2日に米連邦破産法11条(いわゆる「チャプター・イレブン」)の適用をニューヨークの破産裁判所に申請、事実上倒産した。負債総額は、関連14社合計で312億ドル(約3兆8700億円)に達した。簿外債務を含めると、400億ドルを超えるとの見方もある。 エンロンは米エネルギー業界の規制緩和の波に乗って急成長、発電所開発、電力卸売り、小売、インターネット取引へと業容を広げ、米国内電力、天然ガスの約2割の取引を仲介する売上高1千億ドル超の大企業にのし上がった。だが、11月に不明朗な取引による巨額損失と不正な会計処理が発覚、取引相手や投資家が資金を引き揚げたため、資金難に陥った。一旦は、米エネルギー大手のダイナジーによる買収が決まったが、その後破談となり、破綻を余儀なくされた格好だ。 エンロンの破綻を受けて、同グループに対して1000億円弱を貸し付けていた邦銀主要行の債権の一部が回収不能になることが見込まれている。また、同社が国際金融市場で発行した海外円建て債が債務不履行になることで、日本国内の機関投資家が1000億円以上の損失を被ることが避けられない事態となっている。エンロン発行の円建て債は計5本あり、今春相次いで発行された。日興投信、UFJパートナーズ投信など国内投信会社が同社債を運用先に組み込んでおり、マネー・マネージメント・ファンド(MMF)、公社債投信など計27本が元本割れした。 しかし、エンロン倒産の余波はこの程度では収まりそうもない。エンロンは上記円建て債のみならず、巨額のドル建て債を発行しているが、内外の証券会社がドル建てのエンロン債にスワップをかけて円建て債に仕立てた上で、国内の金融機関、事業会社に私募債として販売されていた例があるようだ。これらの債券は、「エンロン」とは全く別の名前で売られており、一見するとエンロンとの関係は分からない。今後、知らないところで損を被っていたという例が続々出てきそうだ。 また、日興證券の最大株主である米シティグループはエンロンに対して30億ドルの投融資残高があるとされるが、傘下の銀行であるシティバンクのみならず証券会社のソロモンスミスバーニー(SSB)もエンロンに対して相当規模の融資を行っていたとの情報もある。シティグループのエンロンに対する肩入れぶりはウォールストリートの投資銀行の中でも群を抜いていたようだ。エンロン倒産は長引く米不況の中でただでさえ利益が収縮しているシティグループ始めウォール街の金融機関・投資銀行を苦しめることになりそうだ。 | ||
| 以 上 | ||
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