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2009年04月28日 白川 浩道 |
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| 楽観的にはなれない | ||
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前号では、 この3月11日の日経平均の終値は7,376円であり、昨日4月27日の終値は8,726円であった。 約18%の上昇であり、「高々、横這い」という見通しは少なくとも過去1ヶ月半に関しては外れたことになる。 なぜ、こうした見通しが外れたのか。 そして、向こう1、2ヶ月の展開はどうなるのか。 まず、株価が足元の1ヶ月強について上昇した背景としては2つ指摘できる。 景況感の短期的な改善と、米国金融システム不安の一時的な後退である。 景況感の短期的な改善をもたらしたのは、一部のマクロ経済データの予想外かつ大幅な回復である。 具体的には、米国製造業ISM(サプライマネジメント協会)の新規受注指数および、内閣府の景気ウォッチャー調査における製造業の先行き景況感DI(ともに3月分)が、 [1] 日本の輸出は5月頃に回復に転じ、6〜8月に大きくリバウンドする、 [2] 鉱工業生産は輸出の回復にやや先行する形で4月から明確な上昇基調に転じ、少なくとも夏場まで拡大基調を続ける、ことを示唆したのである。 筆者の統計分析によれば、輸出、生産ともに前月比ベースで二桁の伸びとなる月が複数生じても不思議ではなく、“下げ止まり”として片付けられる範囲を超える。 主要国の金融緩和政策などの累積的な効果から貿易金融を含めた信用収縮が止まり、その結果、世界的なモノの動きが、少なくとも短期的には、急速に正常化しつつあるということだ。 他方、米国金融システム不安の後退については、 [1] 米国政府が詳細を公表した不良資産買取プログラムが5月中にも始動する運びとなり、その結果、資産担保証券など証券化商品の市場流動性の回復と価格下げ止まりが視野に入ったこと、 [2] 米国住宅価格に年内底入れの兆しが出てきたこと、従って、住宅向け不良債権が無限に拡大してしまうという懸念が後退したこと、が大きい。 米国住宅市場については、連銀による積極的な金融緩和を受けて長期住宅ローン金利が足元で一段と低下しており、住宅ローンの借り換えが大きく拡大しているほか、新規申込みも回復傾向にある。 米国の住宅価格は2007年半ばにかけてのピークから3割近く下がった。 そうした価格下落による割安感の台頭に加えて、住宅金融が回り始めたため、市場が住宅販売の回復と価格底打ちを予想し始めたということである。 実際、中古住宅価格は2、3月と2ヶ月連続で上昇した。 それでは、先行きはどうか。ここでの焦点は、 まず、[1]については、残念ながら答えはノーである。 足元で起きていることは、あくまで世界的な在庫調整の進展に伴う一時的な生産の回復に過ぎない。 仮に住宅価格が底打ちしたにせよ、それが上昇に転じない限り、米国の個人消費は縮小基調を続けよう。 クレジット・カードの延滞率やデフォルト率は上昇基調にあり、銀行が消費者信用を一段と絞るのは目に見えているからだ。 次に[2]であるが、米国金融不安が再燃する可能性が十分にあり、注意がいる。 改めて繰り返すまでもないことであるが、米銀の資本不足問題はまだ解消されていない。 確かに、証券化商品など金融商品や住宅ローンの不良化がバランスシートを傷つけるピークは超えたとみられる。 しかし、消費者ローン、商業不動産向けローン、一般企業ローンの不良化はこれから本格化する。 特に、一般企業ローンの不良化は米銀に大きなストレスを与える可能性がある。 オバマ政権は、大企業救済を目的に、銀行に対して企業向け債権の放棄(借金棒引き)を迫るとみられるからだ。 借金棒引きによって銀行の収益に大きな穴があくであろうことは想像に難くない。 さらに[3]であるが、国内企業の資金繰り悪化や国内政治情勢の悪化という悪材料がいつまた何時、噴出するかもしれない。 世界的な金融危機の発生を受けた大手金融機関の体力低下は、国内金融業の再編をもたらす可能性があるが、再編の過程では、大企業であっても不良な借り手については整理が始まる可能性が高い。 また、総選挙が近い中で、与野党ともに勝利の方程式が描けないことは、政界メルトダウンのリスクを孕んでいる。 景況感の改善や米国金融システムの更なる安定化に自信が持てないばかりでなく、国内で大型企業倒産の発生や政治情勢が不安定化するリスクがくすぶっているとすれば、株式市場の見通しに楽観的になることは無理なのである。 過去1ヶ月半における株価の18%の上昇は出来過ぎであると言わざるを得ない。
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| 以 上 | ||
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