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2004年07月16日
塚崎 公義 |
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| エコノミストはなぜ弱気なのか | ||
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日本経済は、順調な拡大を続けています。 経済成長率と生産の伸び率は米国を上回っていますし、ここにきて出遅れ気味であった消費に力強さが出てくるなど、景気に広がりが出てきています。 こうしたなかで、どうしたわけかエコノミストたちは景気の先行きに悲観的です。 経済企画協会(実質的には内閣府)が集計したエコノミストのコンセンサスは、今年度の成長率が3.5%、来年度が1.9%となっています。 先月に比べて上方修正であることが話題とされていますが、それでも今年1−3月期の成長率が前年比で5.6%であったことと比較すると、成長率が急激に低下するというのがコンセンサスとなっているわけです。 これほど急激に成長率が低下するのでは、「景気が失速する」という表現がぴったりするのではないでしょうか。 エコノミストたちが弱気なのは、さまざまなバイアスがかかっているからだと筆者は考えています。 第一に、日本では、慎重な見方をする人が知的だとされて好まれる傾向があります。 マスコミも悲観論が読者に受けることを知っているので悲観論者を重用しがちです。 第二は、バブルの後遺症によるバイアスです。 日本では、90年代の長期不況期に、強気派のエコノミストが淘汰され、表舞台に残っているエコノミストは弱気派のウエイトが高くなっているはずです。 そうだとすると、上記のコンセンサス(表舞台に立っているエコノミストの予測の平均)はエコノミスト全体の平均よりも低いということになります。 それだけでも問題ですが、エコノミストの横並び意識が問題を複雑にしている面もあるはずです。 たとえば強気派でも弱気派でもないと自負しているエコノミストが「自分の成長率予測はコンセンサスよりもはるかに高い」ということに気付けば、予測を引き下げる可能性が大きいからです。 第三は、エコノミストの予測につきもののタイムラグです。 日本の景気に弱気なエコノミストは、よい経済指標が出ても「統計の振れだろう。 あるいは何かの特殊要因かもしれない。 いずれにしても、来月発表分は再び悪い数字が出るに違いない」とかんがえがちです。 さらによい統計が続いたとしても、「ここで見通しを強気に変更したとして、来月悪い指標が発表されたら再び見通しを変更する必要がでてくる。 それでは二回恥をかくことになるので、見通しの変更は今少し確信が持てるようになってからにしよう」と考えるかもしれません。 第四は、潜在成長率の呪縛です。 「潜在成長率を大きく上回るような成長が何年も続くはずがない」という思い込みから、「今年度から来年度にかけて、成長率は潜在成長率に近づく」という予測をたてるエコノミストも多いはずだからです。 上記のコンセンサスは、毎期の成長率を前期比年率2%近辺としており、要するに「今後は潜在成長率を若干上回るペースで成長していく」ということになっているわけです。 第五は、エコノミストのソロバン勘定にもとづくバイアスです。 エコノミストは「景気回復を予測していると回復しなかった場合に怒られるが、弱気な予測をしておけば景気が回復した場合にも怒られない」と考えて、弱気な見通しを発表する誘惑に駆られるものです。 「景気悪化を予測して当たれば褒められるが、景気回復を予測して当たっても、景気がよくなってしまうと誰も景気のことを気にしなくなるので、誰も褒めてくれない」ということまで考えると、なにも好きこのんで強気の見通しなどを出す必要はないと考えるのが「合理的」なエコノミストと言えるのかもしれません。 以上を総合すると、上記のコンセンサス予測は相当大幅なバイアスを持っていて、実際の成長率はコンセンサスよりも大幅に高くなる可能性が高いのではないかと思いますが、いかがでしょうか? おまけ1 おまけ2 おまけ3 しかし、読者の方は「理由が何であれ、彼の予測は外れた」と評価する場合が少なくありません。 そうであれば、エコノミストは弱気な予測を発表する誘惑に駆られることになります。 株価が暴落することはあっても暴騰するケースは稀であること、海外経済が通貨危機などによって失速することはあっても急に拡大するケースは稀であること、などを考えると、「予想外の出来事」には景気を悪くするものの方が多いからです。 おまけ4 |
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以 上
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